「地震対策が必要なことはわかっているんだけど…」
「今の状態で緊急時に家族を守れるのだろうか…」
地震のニュースを見るたびによぎるこの不安感。地味にストレスかかりませんか?対策が必要なことはわかっているが、毎日の家事や育児、仕事に追われているとつい後回しになってしまう。何から手をつけていいかがわからず、面倒くさくて一歩踏み出すことができない。
この記事は、そんなあなたのために書きました。元ホームセンター店員として14年勤務してきた経験から、本当に必要な防災対策が何なのか。何から始めるべきなのか。独自の視点で解説していきます。
今日やらない人は明日もやりません。
まずは地震対策の第一歩として、この記事を読んでみてはいかがでしょうか?
家族を守れるのは、あなたしかいません。手遅れになる前にぜひ地震対策を。
● 地震対策を始めたいが、何をすれば良いかわからない方
● 仕事や子育てが忙しく、地震対策が後回しになっている方
● 今の備えで家族を守れるのか、漠然とした不安がある方
● どんな防災グッツがあるのか知りたい方
● 元ホームセンター店員の独自視点に興味がある方
なぜ地震対策が必要なのか?リアルに迫る危険とは

地震で亡くなる原因って何だと思いますか?実は、地震で亡くなった方の約8割は、家屋の倒壊や家具の転倒による圧死・窒息死なのです。建物倒壊の危険性がある中で、転倒した家具によるケガで動けなかったり、タンスや冷蔵庫などが道を塞ぎ、避難が遅れて余震の被害に合うケースが多いのです。
これらの被害は耐震グッズを使うことによって回避できていた可能性が充分にあります。地震への備えを怠ったばっかりに、悲惨な結果を生んでしまうのです。
地震の被害で、家は安全な場所ではなくなる?
いつも過ごしているリビングや寝室が、一瞬にして最も危険な場所に変わる。これが地震の現実です。背の高い家具は全て倒れ、窓ガラスが床に散乱している。暖房器具は倒れて、近くのカーテンに火が燃え移っている。余震や二次災害から身を守るため、早く避難しなければならないが、被災時に負ってしまった足のケガで全く動けない。
日々の暮らしを守るための「家」が牙をむく。そのリスクを正しく知ることが、対策のスタートラインなのです。
確実に来る!「南海トラフ地震」という現実

「大きな地震なんて、めったに来ない」と思うかもしれません。しかし、政府の地震調査委員会は、南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率を「70~80%」と発表しています。これは、私たちが生きている間にいつ起きてもおかしくない、前代未聞の非常に高い確率なのです。
もしこの巨大地震が発生すれば、私たちの想像を絶する広範囲で甚大な被害が想定されています。電気・ガス・水道といったライフラインは完全にストップし、場所によっては水道の完全復旧に1ヶ月以上かかるとも言われています。そうなれば、スーパーやコンビニから商品は一瞬で消え、支援物資がすぐには届かない状況も十分に考えられます。
そんな時、行政の助けをただ待つ「受け身」の姿勢では、家族を守り切ることはできません。「自分たちの命は、自分たちで守る」という強い意志と、そのための具体的な「備え」が不可欠なのです。
地震対策で本当に必要な4つの備え

地震対策で備えるべきことは、大きく分けて次の4つです。
● 【備え①】命を守る「家具の転倒防止対策」
● 【備え②】ライフライン停止を乗り切る「防災対策」
● 【備え③】地震発生後のパニックを防ぐ「情報収集」
● 【備え④】いざという時の「避難行動」
【備え①】命を守る「家具の転倒防止対策」
地震発生時、命を守るために最も優先すべき対策です。家具の転倒を防ぐことにより、人間への被害を防げるほか、通路確保によるスムーズな避難行動をとることができます。また、高額なテレビや家電製品の破損を地震の揺れから守ることができ、物への被害も最小限に抑える事ができるのです。
家具の固定
背の高いタンス・本棚・食器棚・冷蔵庫は、倒れないように必ず固定しましょう。固定方法は突っ張りポールがオススメです。誰でも簡単に素早く取り付けできますので、面倒な作業や知識が必要なく、初心者にピッタリの耐震グッズです。また、賃貸にお住いの方の場合、取り付けにねじ止めの必要がない為、壁や天井を傷つけないのも魅力の一つです。

転倒防止グッズで一番売れていた商品は、ダントツで転倒防止突っ張り棒でした。設置が簡単で、効果も絶大なので、初心者の地震対策にはぴったりです。壁や天井を傷つけることもないので、安心して取り組むことができますよ。
耐震強度を持たせたい場合は、L字金具がおすすめです。突っ張りポールよりも固定する強度が強く、大きな地震でも対応することができます。L字金具は3~5mmの分厚い金具を選ぶようにしましょう。
取り付ける壁の素材を確認してください。石膏ボードなどのやわらかい素材の場合、ネジが簡単に抜けてしまうので、木材の柱のある場所にねじを打つ必要があります。
小物の固定

テレビや電子レンジ、パソコンのモニターなどの下には、粘着性の高いジェルマットを敷きましょう。ジェルマットが地震の揺れを吸収し、対象物の転倒を防ぎます。このタイプのマットは、ホコリがつくと粘着力が落ちることがありますが、年末の大掃除の時など、定期的にメンテナンスすることをオススメします。

ジェルマットの粘着力は、水洗いで復活します。そのため、一度備えれば長期間使用することができます。色々な大きさの商品が販売されていますが、ハサミで簡単にカットできますので、ある程度の大きさを測っておけば大丈夫です。
ガラスの飛散防止
避難時に厄介なのが、ガラスの飛散です。地震によるガラスの破損で破片が床一面に散らばり、避難経路を塞ぐのです。また、停電と重なるとどこに破片があるのかわからない状況の中で、出口まで向かう必要があるため、非常に危険です。
災害発生時は小さなケガも命取り。安全に避難できるように食器棚や窓ガラスに、飛散防止フィルムを貼りましょう。フィルムを貼ると、万が一割れた際に破片が飛び散らずに固まった状態でとどまってくれます。家の中の行動範囲も広がりますので、ぜひ実施してください。

飛散防止フィルムの貼り付けには、ちょっとしたコツがあります。霧吹きで窓に水を吹きかけてから貼り合わせるのですが、最初は少し手間取る方もいらっしゃいます。でもご安心ください。同じ商品で何度でも貼り直しができるので、練習しながら少しずつ上達できますよ。
【備え②】ライフライン停止を乗り切る「防災対策」

大きな地震の場合、高確率でライフラインが断たれます。不自由な状況の中で生き抜くためには、防災対策が必須になります。内閣府より災害時の基本方針として、災害発生から3日間は人名救助を優先するため、物資支援が開始されるのは最短4日目以降との発表があります。
最低3日間、場合によっては1週間以上、物資支援がない中で、対策なしに数日間を生きることは非常に困難です。しっかりした防災対策を行い、どんな状況でも生き抜ける態勢を整えましょう。

大型のホームセンターであれば、どの店舗でも防災売場というものが用意されています。その売場には、様々な非常食が用意されているので、ご自身のお好きな食材を選んでみてください。
水と食料
水は人間の命の源になります。水分不足による、判断力の低下、行動の抑制は防がなければなりません。災害時の緊急用として、最低でも3日分、できれば1週間分を用意しましょう。水は「1日あたり、1人、3L」必要です。4人家族なら、1日12L、3日分で36Lになりますので、2Lペットボトル18本以上を準備しましょう。
食事は「1日あたり、1人、最低2000kcal」になります。米おかゆ×4袋(660kcal)、非常用クラッカー10枚入×2パック(700kcal)、板チョコ×2枚(640kcal)でちょうど2000kcalほどになります。
おすすめは、普段の買い物の延長でできる「ローリングストック法」。普段の食事に使いながら、賞味期限の古いものから順番に食べ、一定量の備蓄を継続する方法です。これなら特別な手間もありませんし、食べ慣れている味のレトルト食品を備蓄できるので、非常時にいつも通りの行動ができます。
簡易トイレ

意外に見落としがちなのが、トイレです。ライフラインが断たれて断水すると、今まで当たり前のようにしていたトイレが満足にできなくなるのです。対策しなければ、トイレの排泄物を処理することもできなくなり、毎回悪臭漂うトイレを使うことになります。これは緊急時においてかなりのストレスです。
便器にかぶせて使う凝固剤付きの簡易トイレを準備しましょう。「1人1日5回×家族の人数」を目安に×7日分を必ず準備してください。消臭効果の高いものを選ぶと、衛生環境を保ちやすくなります。
明かりと電源
停電時の暗闇は、不安を増大させます。いつもと同じ冷静な判断力を発揮するためには、明かりの確保は最優先事項になります。そのためには、懐中電灯やLEDランタンはすぐに取り出せる場所に準備しましょう。また、防災ラジオがあれば、ラジオとライトの併用が可能なので、ぜひ準備しましょう。
現代の情報収集の生命線はスマホです。充電確保のため、モバイルバッテリーを一つ用意しておくだけでも安心感が全く違います。最近では、ポータブル電源など、高価ではありますが、より大容量の電源もありますので、ぜひご検討してみてください。
【備え③】地震後のパニックを防ぐ「情報収集」

災害時の情報は自分の行く末を左右する非常に大事なものです。災害時はデマも飛び交い、何が正しい情報なのか分からなくなりがちですので、信頼できる情報源を確保し、落ち着いて行動できるように準備しておきましょう。
防災アプリ
緊急地震速報や避難勧告などをいち早く知らせてくれる、防災専用アプリをスマホに入れておきましょう。自治体専用でなくても、信頼できる情報元のアプリであれば十分役立ちます。また、アプリによっては、ハザードマップの閲覧も可能ですので、事前の確認をおこない、避難経路を確認しておきましょう。
防災ラジオ
停電時にも使える電池式や手回し充電式の防災ラジオが一つあると非常に心強いです。スマホのバッテリーを温存するためにも準備しましょう。緊急時には、スマホの電波が届かなくなり充電があっても使えなくなることがありますので、防災ラジオは大変重宝します。明かりの確保や懐中電灯代わりにもなりますので、1つで多彩な防災対策になるのです。
家族間の連絡手段の決定
災害用伝言ダイヤル「171」の使い方や、LINEグループでの報告ルールなど、離れ離れになった時の連絡方法を事前に家族で決めておきましょう。「無事だよ」「避難所にいる」といった簡単な定型文を決めておくだけでもスムーズです。
【備え④】いざという時の「避難行動」

緊急時は頭が上手く働かなくなり、どのような避難行動をとれば良いかわからなくなります。正しい行動には、事前の準備が必要不可欠です。例えば、避難に必要な持ち物を入れた「防災持ち出し袋」を準備したり、危険の少ないルートを通るため、事前にハザードマップを確認しておくなど。災害時に迷わないように、あらかじめ決めておきましょう。
二次災害
地震で怖いのは二次災害です。火事や津波、土砂災害等、状況によって適切な行動をとらなければなりません。その時々の状況判断も必要ですが、事前に様々なパターンを想定し行動を決めておくと、迷いがなくなり、災害時に慌てることもありません。
ハザードマップ
正しい行動をとるためには、事前のハザードマップの確認が必要不可欠です。川の氾濫による水没地域や、地震による土砂災害や液状化の可能性がある場所など、危険な箇所をあらかじめ頭に入れておくことで、危険を回避することができます。避難所までの安全な最短ルートをたどるため、ハザードマップは確認するようにしましょう。
避難所
緊急時の避難場所の確認をしましょう。避難所は、公民館や学校の体育館などが多いです。防災対策として、最低限の水・食料・毛布、救急箱等、保管してありますが、全ての人に物資がいきわたることはないので、必要なものは自分で持って行くようにしましょう。役所の担当者が運営しますが、避難所は常に人手不足になるため、可能であれば手伝うようにしましょう。
地震対策の3つの注意点

地震対策を進める上で大切な心構えを3つお伝えします。
● 「続けること」地震はいつやってくるかわからない
● 「見直すこと」定期的なメンテナンスが必要
● 「シンプルであること」緊急時は頭が回らない
「続けること」地震はいつやってくるかわからない
地震はいつやってくるのかわかりません。明日来るかもしれないし、10年後に来るかもしれない。そのため、地震対策も継続してできるかどうかが大事になってきます。例えば、非常食の場合、長期保存できるものを購入して寝かすのではなく、普段から食べられるものを備蓄して、日常の食事としても活用する。そうすると普段の生活の中に対策が意識付けされて、苦なく続けることができます。
「見直すこと」定期的なメンテナンスが必要
地震対策には定期的なメンテナンスも重要です。例えば、耐震グッズで言うと、突っ張りポールは緩んでいないか?耐震ジェルマットははがれかけていないか等、いざというときに力を発揮できるように、定期的にメンテナンスをするようにしましょう。
「シンプルであること」緊急時は頭が回らない
あれもこれも備蓄して、全体を把握できなくなっていませんか?地震対策はできるだけシンプルにすること。なぜなら、緊急時は視野が狭くなり、頭が正常に働かなくなるからです。例えば、防災バックの中に必要なものを大量に乱雑に保管していると、いざ使用するときに必要なものが取り出せなくなってしまいます。少し余裕をもってぱっと見で何が入っているのか把握できるぐらいが丁度よいです。
簡単にできる地震対策から始めよう

「じゃあ、結局、何から手をつければいいの?」というあなたへ。簡単に始められてかつ重要な地震対策を3つ紹介いたします。まずはここから初めてみましょう。
● 水・非常食の備蓄 ( 3日分 )
● 突っ張りポールの装着 ( 1か所 )
● 防災アプリをダウンロード ( 1個 )
水・非常食の備蓄(3日分)
水と非常食の備蓄から始めましょう。普段行くスーパーで全て購入できますので、いつでも取り掛かることができます。まずは最低限の3日分を準備。水は一人1日3L、家族の人数分用意しましょう。非常食は一人1日2000kcalを目標に。水と食料さえあれば何とか生きていけます。
突っ張りポールの装着(1か所)
耐震用の突っ張りポールを装着しましょう。まずは、背の高い家具、1か所だけでも大丈夫です。特に優先する場所としては寝室になります。人は寝ているとき、無防備になる為、家具の転倒に対処することができません。突っ張りポールの装着で就寝中の危険から身を守りましょう。
突っ張りポールはどんなホームセンターにも必ず販売しています。購入の際は、天井から家具までのサイズ測定を忘れずに、大きさの合ったものを選びましょう。
防災アプリをダウンロード(1個)
防災アプリをダウンロードして緊急時の避難情報を確認できるようにしましょう。災害時は情報の質が、命の危険に繋がります。信頼できる情報元のアプリを選ぶようにしましょう。
また、ハザードマップを確認し、避難経路を決めておくのが良いです。緊急時は頭が回らす、誤った行動をとりがちなので、避難場所までの安全な最短ルートを確認し、いつでも動けるように頭に入れておきましょう。
地震対策の昔と今

現代の地震対策は昔に比べて選択肢が増え、様々な備えができます。 昔から非常食の備蓄や懐中電灯による明かりの確保などはありましたが、現代に比べるとできることが限られていました。
防災情報の取得方法も限られていましたし、電気を蓄えるという発想もなく、乾電池やカセットガスを備蓄していました。今でも有効な方法でもありますが、ポータブル電源や防災アプリなど現代は昔に比べると便利なもので溢れています。
以前は、災害に振り回されて耐えるしかなかったのですが、今はやり方を工夫すれば、日常と変わらぬ過ごし方ができます。全ては備え次第なのです。
まとめ

この記事では、地震対策の重要な4つの備えについて解説しました。
● 【備え①】命を守る「家具の転倒防止対策」
● 【備え②】ライフライン停止を乗り切る「防災対策」
● 【備え③】地震発生後のパニックを防ぐ「情報収集」
● 【備え④】いざという時の「避難行動」
記事を読む前よりも、地震をより身近に感じられたと思います。
今が最大のチャンスです。このモチベーションを活用して行動してみましょう。この機会を逃すと次のやる気はしばらく来ないでしょう。あなたの一番大事な家族を守るためにも一歩踏み出す勇気が必要なのです。
完璧な準備は必要ありません。でも、今日始めたかどうかが、未来を大きく変えます。
この記事のおかげで地震対策を始められた人が一人でもいれば、うれしい限りです。

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