【避難行動の注意点】を徹底解説！｜避難場所までの適切な行動と把握すべき内容とは

「避難の為、家から急いで飛び出たけど、どこへ向かえば安全なの？」

「そもそも避難所ってどんな場所で、どう過ごせばいいんだろう…」

屋外での避難や避難所での生活に、漠然とした不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事は、「避難行動」に特化して、屋外で取るべき最適な行動と、避難所での過ごし方を徹底的に解説します。この記事を読み終える頃には、「いざという時、こうすれば家族を守れる」という具体的な自信に変わっているはずです。

あなたは正しい避難行動が頭に入っていますか？

災害を生き残るためには、発生前に「正しい避難行動」を具体的に計画しておくことが不可欠です。

大地震の直後は誰もがパニックに陥り、「思考停止」状態で動けなくなる危険性が非常に高くなります。事前にハザードマップで自宅周辺の危険箇所や安全な避難経路を把握していれば、咄嗟の判断に迷うことなく、最も安全なルートで行動を開始できます。この知識の有無が生死を分けるのです。

屋外への避難行動をスムーズにするための把握しておく内容７選

①二次災害から身を守るには？

避難中は、最初の揺れだけでなく「二次災害」への警戒を絶対に怠ってはいけません。

火災、建物の倒壊、土砂災害、津波といった二次災害は、本震そのものと同じくらい命の危険を伴います。煙の匂いがしたら火元から遠ざかる、ひび割れた建物やブロック塀には近づかない、崖や斜面のそばは避けて通るといった行動を徹底し、常に周囲の状況を注意深く観察することが避難の鉄則です。

②屋外で大きな揺れに襲われたら？

屋外で強い揺れを感じたら、即座に「落下物がない開けた場所」へ移動し、頭を守ってください。ビル街などでは、看板、窓ガラス、外壁などが落下してくる危険性が非常に高いためです。カバンなどで頭を保護しながら、建物の壁際から離れ、公園や広場などの中央で姿勢を低くして揺れが収まるのを待ちましょう。

強い余震が続くことも想定しておくことが大切です。「まず頭を守り、落下物から離れる」ことが屋外での最優先行動となります。

③本当に必要な持ち物は何？

避難時の持ち出し品は、「命と健康の維持に直結するもの」に絞って、リュック一つに収まる量に厳選すべきです。

荷物が多すぎると迅速な避難の妨げになり、両手が使えないことで転倒などの危険性が増してしまいます。「水・食料・常備薬」の基本セットに加え、「携帯トイレ・衛生用品」「靴」「懐中電灯・モバイルバッテリー」、そして子供のための「安心アイテム（お菓子やおもちゃ）」などを準備しましょう。

避難グッズは「量より質」を重視し、本当に不可欠なものだけを軽装で持ち出すことが重要です。

④大切なペットとはどう避難する？

ペットを飼っている場合、原則として「ペットと一緒に避難（同行避難）」します。災害時にペットを家に残していくと、その後の救出は非常に困難になり、離れ離れになる可能性が高いためです。普段からケージに慣れさせておき、ペット用の食料や水、常備薬も準備しておきましょう。

ただし、避難所によってはルールが異なるため、事前に自治体の情報を確認しておくことが大切です。ペットも家族の一員として、日頃から一緒に避難するための準備をしておく必要があります。

⑤なぜハザードマップの事前確認が重要なのか？

安全な避難ルートを知るために、ハザードマップの事前確認は絶対に必要です。地図上では安全に見える道でも、災害時には土砂崩れや浸水の危険があるかもしれず、ハザードマップはその地域の「災害カルテ」の役割を果たします。

自宅や学校、職場の周辺で、地震による倒壊や火災の危険度が高いエリア、津波や土砂災害のリスクがある場所を把握し、それらを避ける避難ルートを家族で複数決めておきましょう。事前にリスクを把握し、安全な避難計画を立てておくことが、命を守る上で極めて重要です。

⑥移動手段は歩き？それとも車？

災害時の避難は、「徒歩」が原則です。車での避難は大規模な交通渋滞を引き起こし、救急車や消防車など緊急車両の通行を妨げてしまいます。また、道路の損壊で行き場を失う危険もあるため、特別な事情（高齢者や負傷者の搬送など）がない限り、車は使用せず、必ず自分の足で避難を開始してください。

緊急時の移動手段は徒歩であると心に決め、歩きやすい靴を備えておくことが大切です。

⑦避難所ではどう過ごせばいい？

避難所では、まず「安否登録」を行い、「協調性」と「正しい情報収集」を心がけてください。

安否登録は家族を安心させ、救助活動の効率化につながります。また、共同生活では、互いの協力なしに困難を乗り越えることはできません。到着したらすぐに受付で名前を登録し、災害用伝言ダイヤルも活用しましょう。

物資の配給や清掃などは協力して行い、情報はSNSの噂に惑わされず、自治体やラジオなど公的なものから得るようにしてください。避難所では自分の安全を確保すると同時に、社会の一員として責任ある行動をとることが求められます。

屋外への避難行動で気をつけるべきポイント

①大原則は「人命第一」

避難行動における絶対的な大原則は「人命を最優先する」ことです。物や家は失っても取り戻せる可能性がありますが、命は一度失うと二度と戻りません。貴重品へのこだわりが、命を落とす原因になり得ます。「あれもこれも持ち出さないと」と荷造りに時間をかけたり、危険な家へ貴重品を取りに戻ったりする行為は絶対にしないでください。

安全に余裕がある場合のみ、家を出る前にブレーカーを落とすなどの二次災害防止措置を考えましょう。いかなる状況でも、自分と家族の安全確保を他の何よりも優先して行動してください。

②安全なルートの選び方と歩き方

避難経路では、「落下物のない道の真ん中」を、「周りと協力しながら」歩くのが基本です。余震による落下物から身を守ると同時に、人が密集することによる将棋倒しなどの二次被害を防ぐ必要があります。

ヘルメットやカバンで頭を守り、建物のそばを避けましょう。焦る気持ちを抑えて「急がず、譲り合う」ことを心がけ、お子さんとは必ず手を繋ぎ、高齢者や妊婦さんなど周りの人を助け合う意識が大切です。個人の安全確保と集団としての安全確保を両立させながら歩くことが、避難の要点です。

③津波が来たら「ためらわず高台へ」

海岸近くで地震にあった場合、あるいは津波警報が出た場合は、「ためらわずに、今すぐ一番高い場所へ」避難してください。津波は驚くべき速さで到達し、少しの判断の遅れが直接的に生死を分けます。

「まだ大丈夫だろう」といった正常性バイアスは捨て、警報が出たら即座に行動を開始しましょう。がれきで道が塞がれることも想定し、避難ルートは複数考えておくことが重要です。沿岸部では「揺れたら高台へ」を条件反射的に実行することが、命を守る唯一の方法です。

情報取得以外にも大事な３つの地震対策

①【自宅の安全確保】家具の転倒防止対策

まず、自宅の安全確保として「家具の転倒防止対策」は必須です。屋内で地震の被害にあう方の多くが、家具の転倒による負傷や、倒れた家具による避難経路の遮断が原因となっています。

背の高いタンスや本棚、冷蔵庫などを、L字金具や突っ張り棒で壁にしっかりと固定しましょう。これにより、圧迫によるケガを防ぎ、出口までの道を確保できます。安全に家から避難するためにも、家具の固定は最も基本的かつ重要な対策なのです。

②【最低限の備え】防災グッズの準備

次に、ライフラインが停止した状況を生き抜くために「防災グッズの準備」が欠かせません。電気・ガス・水道が止まると、普段通りの生活は一切できなくなり、備えがなければ心身ともに大きなストレスに晒されます。

最低限、水や非常食、簡易トイレ、救急用品、情報収集のためのラジオや懐中電灯などをリュックにまとめておきましょう。防災グッズは被災後の生活の質を維持し、不自由を乗り越えるための生命線となります。

③【安全な避難のために】避難場所と経路の確認

最後に、冷静な避難行動のために「避難場所と安全な経路の確認」を平時に行っておくべきです。

災害時にどこへ逃げるべきか、どの道が安全かを事前に知っていることが、パニックを防ぎ、迅速な行動につながります。ハザードマップを活用し、津波や土砂災害などの危険箇所を把握した上で、安全な避難場所までのルートを実際に歩いて確認し、家族全員で共有しておくことが重要です。

事前の避難場所と経路の確認は、災害時の迷いをなくし、家族の安全を確保するための重要な準備です。

まとめ

本記事では、地震発生後の「屋外への避難」に焦点を当てて、具体的な行動計画を解説しました。「知っている」だけでなく、事前に「備えている」ことが、いざという時に冷静な行動をとり、あなたと家族の命を守る最大の力となります。

ハザードマップの確認、防災グッズの準備、そして本記事で学んだ避難時の注意点を、ぜひ今日から実践に移してみてください。この記事をきっかけに、ご家族と防災について話し合う時間を作り、万が一の事態に備えましょう。