【ペット】と被災した場合の対処法！｜犬・猫と避難する時のポイントとは

「ペットと生活している場合、災害時に気を付けることとは？」
「ペットの避難用に準備しておくべきものは？」
「避難所でのペットの過ごし方はどうなる？」

ペットを飼っている人にとって、ペットは家族です。たとえ、災害時で緊急な状況だとしても、ペットを置いて避難することはできません。環境省からも、ペットがいる世帯の方は、ペットと共に避難することが推奨されています。ペットと一緒に迅速な避難行動をするためには、事前の準備が何より重要になります。

今回は、ペットを飼っている方向けに、災害時に気を付けることや、事前に準備が必要なものに関して、徹底解説します。家族かペットどちらかを選ぶといった、残酷な決断をしないためにも、事前準備の知識を深めて、災害に備えましょう。

ペットを飼っている家の災害対策とは

ペットとの避難行動は難しい？

いきなり現実をお伝えしますが、ペットとの避難行動は非常に難しいです。大地震で被災した場合、我々人間が生き延びるのも精一杯の状況の中、ペットのお世話も同時並行でしなければならない為、被災者には大きな負担がかかります。できる限りの負担を減らすため、入念な準備といざというときの行動をしっかり決めておかなければなりません。

出典：環境省

ペットと避難行動を共にすることが大事

災害の状況によっては、ペットを自宅に置いたまま外出避難をしなければなりません。そのまま離れ離れになると、ペットのことが心配で正しい避難行動がとれない場合があります。その結果、家屋の倒壊の恐れのある自宅に戻ったり、津波や火事の危険な状況の中、自宅に留まったりなど、危険な行動をとってしまいます。そのようなことにならないため、可能な限りペットと共に行動するのが良いのです。

ペットと迅速な避難行動が必要

ペットと共に行動するためには、迅速な避難行動がとれる準備をすることが必要です。外出避難の場合であれば、ペット用の防災かばんを準備する、普段からケージに慣れさせるといったしつけが大事です。在宅避難の場合であれば、ペット用のご飯や水も人間と同じく1週間分備蓄する。体温管理の為に、カイロを準備するなど対策が必要になります。

ペットとする避難行動とは

在宅避難の場合

ペットとの在宅避難を想定して、各種備蓄が必要です。備蓄の内容は人間と似ていますが、例えば、ペット用のフードや飲料水、排泄物を処理する新聞紙や猫砂が必要になります。これらの備蓄を7週間分備蓄することによって在宅避難が可能になります。避難所生活では、被災者の避難場所とペットの保管場所は別の場合が多い為、できる限り在宅避難を目指して備蓄をしましょう。

屋外避難の場合

家屋の倒壊や津波の恐れから、避難所での生活を余儀なくされる場合があります。この場合、まずは避難所までペットを連れて移動する必要がありますが、一刻も早く家から避難しなければ大きな被害に巻き込まれてしまいます。そのような事態を避けるため、普段のしつけが大切になります。例えば、待てやお座りのように、飼い主のいうことを聞くように訓練したり、ケージやキャリーケースの中が落ち着く場所と認識するように、普段から慣れさせておくことが重要です。

避難所での生活

まず第一に、避難所でペットと同じ場所で生活することは非常に難しいです。他の避難者の中には、動物のにおいや毛が苦手なアレルギーを持った方もいます。そのため、飼い主と同じスペースでは生活できず、ペットの専用保管場所で管理する形となります。散歩やエサやり等のペットの世話は飼い主がします。必要な時のみ、ペットの保管場所にいき、お世話をするような形になるのです。

同行避難と同伴避難は違う？ペットと一緒に生活できる避難所

「同行避難」と「同伴避難」という言葉があります。同行避難は、自宅から避難所までをペットと一緒に行動することです。そのため、避難所での生活は別々となり、生活スペースが異なるのが特徴です。一方、同伴避難は、避難所までの同行はもちろん、避難所の生活においても同じスペースで生活することができるのです。同伴避難できる避難所はまだまだ少ないので、平常時に調べてみる方が良いでしょう。

ペットと避難行動をするときの注意点

可能な限りペットと一緒に避難する

ペットを飼っている方にとって、ペットは家族です。そのため、大地震に被災して避難しなければならない場合、ペットをおいてはいけません。仮にペットを置いて避難したとしても、ペットのことが頭から離れない為、適切な避難行動がとれなくなってしまいます。また、ペットが心配で自宅へ帰った被災者が、建物の倒壊に巻き込まれたり、津波の被害に遭う場合があります。危険な行動をとらないように可能な限りペットと一緒に避難するようにしましょう。

普段からしつけをしておく

大地震発生の時、場合によっては迅速な行動が求められる場合があります。火事や家屋の倒壊、津波が接近している中で、少しの遅れが命取りになります。そのような状況の中、ペットが言うことを聞かない状態であれば、避難行動に支障をきたしてしまいます。普段からしつけをしっかりとおこない、飼い主のいうことを聞くようにしておきましょう。

最悪の状況も頭に入れておく

地震の状況によっては、ペットよりも家族を優先させる決断が必要な場合があります。津波が刻一刻と迫っている状況の中、ペットを抱えて逃げられないと思えば、家族の命を優先する厳しい決断も必要になってきます。このような状況を可能な限り避けるため、普段のしつけといざというときの備蓄や準備が必要なのです。

その他の避難行動とは

二次災害から身を守るには？

避難中は、最初の揺れだけでなく「二次災害」への警戒を絶対に怠ってはいけません。

火災、建物の倒壊、土砂災害、津波といった二次災害は、本震そのものと同じくらい命の危険を伴います。煙の匂いがしたら火元から遠ざかる、ひび割れた建物やブロック塀には近づかない、崖や斜面のそばは避けて通るといった行動を徹底し、常に周囲の状況を注意深く観察することが避難の鉄則です。

屋外で大きな揺れに襲われたら？

屋外で強い揺れを感じたら、即座に「落下物がない開けた場所」へ移動し、頭を守ってください。ビル街などでは、看板、窓ガラス、外壁などが落下してくる危険性が非常に高いためです。カバンなどで頭を保護しながら、建物の壁際から離れ、公園や広場などの中央で姿勢を低くして揺れが収まるのを待ちましょう。

強い余震が続くことも想定しておくことが大切です。「まず頭を守り、落下物から離れる」ことが屋外での最優先行動となります。

本当に必要な持ち物は何？

避難時の持ち出し品は、「命と健康の維持に直結するもの」に絞って、リュック一つに収まる量に厳選すべきです。

荷物が多すぎると迅速な避難の妨げになり、両手が使えないことで転倒などの危険性が増してしまいます。「水・食料・常備薬」の基本セットに加え、「携帯トイレ・衛生用品」「靴」「懐中電灯・モバイルバッテリー」、そして子供のための「安心アイテム（お菓子やおもちゃ）」などを準備しましょう。

避難グッズは「量より質」を重視し、本当に不可欠なものだけを軽装で持ち出すことが重要です。

なぜハザードマップの事前確認が重要なのか？

安全な避難ルートを知るために、ハザードマップの事前確認は絶対に必要です。地図上では安全に見える道でも、災害時には土砂崩れや浸水の危険があるかもしれず、ハザードマップはその地域の「災害カルテ」の役割を果たします。

自宅や学校、職場の周辺で、地震による倒壊や火災の危険度が高いエリア、津波や土砂災害のリスクがある場所を把握し、それらを避ける避難ルートを家族で複数決めておきましょう。事前にリスクを把握し、安全な避難計画を立てておくことが、命を守る上で極めて重要です。

移動手段は歩き？それとも車？

災害時の避難は、「徒歩」が原則です。車での避難は大規模な交通渋滞を引き起こし、救急車や消防車など緊急車両の通行を妨げてしまいます。また、道路の損壊で行き場を失う危険もあるため、特別な事情（高齢者や負傷者の搬送など）がない限り、車は使用せず、必ず自分の足で避難を開始してください。

緊急時の移動手段は徒歩であると心に決め、歩きやすい靴を備えておくことが大切です。

避難所ではどう過ごせばいい？

避難所では、まず「安否登録」を行い、「協調性」と「正しい情報収集」を心がけてください。

安否登録は家族を安心させ、救助活動の効率化につながります。また、共同生活では、互いの協力なしに困難を乗り越えることはできません。到着したらすぐに受付で名前を登録し、災害用伝言ダイヤルも活用しましょう。

物資の配給や清掃などは協力して行い、情報はSNSの噂に惑わされず、自治体やラジオなど公的なものから得るようにしてください。避難所では自分の安全を確保すると同時に、社会の一員として責任ある行動をとることが求められます。

まとめ

今回はペットの避難行動について解説しました。環境省から推奨されている通り、ペットと家族は必ず一緒に避難することが必要です。そのためには、日ごろから、ペットへのしつけをしっかり行い、避難用の防災バックを準備し、迅速な避難行動をとれる態勢を整えることが重要になります。ペットの命は家族の命と同じです。一緒に生き延びるためにも、明日から準備を進めてみてはいかがでしょうか。